ドラマ番組などで、上司に退職願を提出しているシーンを見たことがある人も多いでしょう。
仕事を辞めるには退職願や退職届は必ず提出する必要はあるのでしょうか?
また、提出するのであればどのくらい前から準備をすべきなのかなど詳しく紹介します。
退職願と退職届、辞表は違う?
退職するにあたり、会社に退職の意志を書面で提出する際に「退職届」「退職願」「辞表」といった3つの書面を思い浮かべる人が多いでしょう。
どれも同じように考えられがちですが、それぞれ意味が異なります。
正しい意味を知って、自身に必要な書面を準備できるようにしましょう。
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辞表とは
一般的に使われると思われがちな「辞表」という言葉ですが、辞表は公務員もしくは役員が辞める際に用いられる言葉です。
経営者や役員など役職があり、雇用関係のない立場である人が辞める場合にのみ使用します。
つまり、公務員以外で会社員として雇用されている立場の場合には辞表という言葉は使わないのです。
退職願と退職届の違い
退職願と退職届は一文字違いなので混同されがちですが、この2つの言葉は全く異なるものです。
退職願は、仕事を辞めたいという『願い』を申し出るものです。一方で、退職届は仕事を辞めるということを宣言するものです。
つまり、退職届は会社への最終的な意思表示と捉えられるので、退職願よりも強い印象を与えることになるのです。
退職願や退職届は必ずしも提出すべきか?
アルバイトであれば、辞めたいという意思を店舗の責任者などに口頭で伝えることで辞めることができたと思います。
しかし、社会人として働く以上、退職願や退職届は提出しなければいけないというイメージが持たれがちです。
必ずしも退職願や退職届は提出すべきなのでしょうか?
書面を提出しなくても退職できるのか?
民法においては、退職の申し入れをする必要性は求められているものの、書面なのか口頭なのか退職の申し入れ方法については定められていません。
そのため、法的には口頭で退職の意志を伝えるだけでも有効とされるのです。
しかし、口頭となると意志が伝えられているのかも確認出来ませんし、いつ伝えたのかも証拠として残せません。
後から何かトラブルがないように、書面にて提出しておくことが自分自身のためにもなると言えるでしょう。
メールでも書面のように記録を残すことができますが、メールの場合は本当に本人が送信したのか分からないという点から、手書きもしくは、名前のみ直筆でサインをした書面で提出すべきです。
「退職願」と「退職届」のどちらを提出すべきか?
退職願と退職届の違いについては前述していますが、一般的に提出する時に用いられることが多いのは「退職願」です。
退職届は労働者の一方的な退職の意志を提出することとなり、会社側の承諾は関係ないという、やや強い印象を与えます。
退職届が受理されて一定期間が過ぎれば、民法第627条の「雇用解約の申し入れから2週間が経過すれば労働契約を解約できる」という定めによって会社の承諾を得ることなく退職は可能です。
しかしながら、はじめに円満な退職を希望するのであれば、退職を一方的に通告する退職届を提出するのではなく、まずは退職願から提出して意思伝達をするのが一般的です。
そして、必要があれば退職届をはじめとした「強い文書」を改めて提出するという流れをおすすめいたします。
退職願の準備について
退職願を提出する場合、どれくらい前から準備して提出すべきなのか悩む人も多いものです。
あまりに早い時期に提出すれば、社内で肩身の狭い思いをしなくてはいけないのではないかと不安になる人もいるでしょう。
しかし、ギリギリに提出すれば一緒に働く人たちに迷惑を掛ける可能性があります。
退職願の提出時期や、退職願を準備する際の注意点を見ていきましょう。
まずは就業規則を確認する
退職願を準備する前に、会社の就業規則を確認する必要があります。
就業規則は会社ごとによって内容が異なりますが、退職に関する規則を設けているようなケースもあります。
例えば、「退職希望日の〇ヵ月前までに退職願を提出する」というように退職願の提出における期限が定められていることがあるのです。
この場合、決められた期限があるにも関わらず、期限より早く辞めたいと突然提出しても受理されない可能性もあります。
そうすれば退職交渉も難航しますし、次の就職先が決まっているような場合には再就職先にも迷惑をかける可能性まであります。
退職願を提出する時期
就業規則に退職願についての記載がある場合には、定められた時期に提出をします。
しかし、就業規則に記載がないような場合には、退職を希望する1~2ヵ月前に申し出ることが一般的です。
数週間前など突然の申し出となると、仕事の引継ぎなどの面で周囲の人達に迷惑を掛けてしまうことになるので、仕事の引継ぎが出来るよう前もって提出しましょう。
退職には自分だけの都合だけではなく、周囲の人の協力も必要です。
退職願は誰に提出すべきか?
退職願の提出先も就業規則に記載があれば、記載されている相手に提出をします。
もし規則に記載されていないのであれば、直属の上司に提出しましょう。
上司に提出すれば、上司から人事部などに届けられ、退職への手続きや必要な引継ぎの指示などがスムーズに進められていくはずです。
上司に提出する際は、他の人がいないような場所で直接手渡しすることがマナーと言えます。
まとめ
退職願と退職届の違いや、退職願の提出の必要性について紹介してきましたが、実際に提出するとなるとさまざまな不安が出てくるでしょう。
そういった場合には、当会へお気軽にご相談ください。
退職願の提出は緊張や不安も多いと思いますが、円満に会社を退職して、新しい一歩を踏み出せるように当会のスタッフがサポート致します。