ひょっとして気づいてない?あなたの心が発している「限界」のサイン10個では、自分では自覚しにくい心の不調のサインを10個あげることで、まずは自分の心が疲れていることに気づいてもらいました。
「もしかして、自分の心はちょっと疲れているのかも」と気づいた人に次にやって欲しいのは、「なぜ心が疲れているのか」という原因を見つけることです。
「仕事が辛い」
「家族とうまくいっていない」
「恋人とひどい別れ方をした」
そうした心が疲れるきっかけになっている環境や出来事を深く掘り下げていくことで、より具体的な原因がわかれば、問題解決の糸口になります。
ここではそのための方法として、「心療内科・精神科を受診する」「心理カウンセラーに相談する」「『考えたこと日記』を書いて、自分の心を観察する」の3つを紹介します。
心療内科・精神科を受診する

もっと気軽に心療内科・精神科に行こう
心療内科とは体の病気がないのに、心理的・社会的なことが原因で体調を崩している人が行くところ。精神科とは心の症状を専門に扱う診療科です。
例えばそれぞれの科では以下のような症状が扱われています。
| 心療内科 | 精神科 |
|---|---|
| ・朝、会社に行こうとすると手足が痺れたように動かなくなる。 ・めまいや耳鳴りがひどいので耳鼻科に行ったが、異常はないと言われた。 ・上司と話そうとすると、それだけで下痢になる。 |
・人間関係が原因で気持ちが落ち込んでいる。 ・悩み事について延々と考えてしまい、夜眠れない。 ・見知らぬ人に馬鹿にされたり、誰かに監視されたりする(と思ってしまう)。 |
心療内科・精神科(以下、心療内科等)を受診したことがない人は、どんな診察がされるのかと不安になるかもしれません。
しかし基本的には他の診療科と変わりません。以下に心療内科等の一般的な診察の流れを図示しておきましょう。

日本人には心療内科等を受診することについて、「バレたら変な噂を立てられるのではないか」「周囲に余計な心配をさせるのではないか」「自分の勘違い、考えすぎだったら恥ずかしい」といった抵抗を感じている人が少なくありません。
しかし世間体を気にして無理を続けた結果、体調を大きく崩して働き続けられなくなったり、家族とトラブルになったりする人も少なくありません。
そんな事態にならないよう、予防の意味を込めて病院で検査を受けたり、早期に治療をスタートさせて健康になったりすることに、何らおかしなところはありません。
自分の心や体に違和感を感じたら、早い段階で受診することをおすすめします。
信頼の置ける心療内科等を選ぶ
しかし心療内科等を受診する際、一つ大きな問題があります。それは医者の質がバラバラだという点です。
これは他の診療科も同じです。なぜなら医師免許に更新制度はなく、一度取得してしまえばそのあと勉強しなくても、営業は続けられるからです。
医学は日々進歩しており、10年、20年前の治療法が今では「やってはいけない治療法」になることもしばしばあります。
現場で病気を治療する医者がそうした勉強をせずに診察を続けていたとしたら……。
こうした問題を解決するために設けられたのが専門医制度などの制度です。
例えば心療内科等では「専門医」「精神保健指定医」などの更新性のある資格制度を設けています。
もちろん資格を持っていること=良い医者というわけではありませんが、少なくとも勉強をしているかどうかの目安になります。
「ただでさえ気持ちが参っているのに、医者選びまで自分でやらなきゃいけないなんて……」と思うかもしれません。
しかし選び方を間違えると知らぬ間に大量の薬を処方され、治る病気も治らないような治療を施されるおそれもあります。
したがって、きちんと治療をしたいのであれば、心療内科等選びは慎重にする必要があるのです。
心療内科等を選ぶ際の基準については、こんな医者には行ってはいけない!信頼できる心療内科・精神科の選び方で詳しく解説しています。
ぜひこちらを確認してから、病院選びを進めるようにしてください。
心理カウンセラーに相談する

「誰に話を聞いてもらうか」はとても大事
心が疲れたとき、人に話を聞いてもらうのはとても大切なことです。
自分が抱えている苦しさや辛さを話すだけでも気持ちが軽くなりますし、相手に伝わるように話そうとすることで、無意識のうちに頭の中が整理されていくからです。
頭の中が整理されると「意外と大した問題ではなかった」と気づいたり、「話しているうちに解決策が見えてきた」と悩みが解決したりすることもあります。
しかしだからといって、話を聞いてもらう相手が誰でもいいのかというと、そんなことはありません。
例えばこちらが話した愚痴や不満に対して、単に同調するだけの人。こうした人と話していると、愚痴や不満がエスカレートしていき、会話を通じて嫌な思い出を追体験するおそれがあるからです。
これでは一時的なガス抜きにはなっても、心は疲れたままです。
あるいはこちらの話を否定したり、自分の話にすり替えたりしてしまう人。
「そんなの大したことないよ」
「相手の方が正しいよ」
「私の方が辛いよ。この間なんか……」
こんな風に言われれば、むしろ逆効果です。相手の話を聞きながら「この人に話すんじゃなかった」と後悔することでしょう。
話を聞いてもらうときには「誰に聞いてもらうか」が非常に重要なのです。
心理カウンセラーは「心が疲れた人の話を聞くプロ」
では誰に話を聞いてもらえばいいのでしょうか。おすすめなのは、心理カウンセラーです。
心理カウンセラーとは、いわば心が疲れた人の話を聞くプロです。
ストレスや悩みを抱える相談者から直接話を聞き、相談者の状況・心境を把握したうえで、専門的な知識と経験から問題解決のためのアドバイスをする仕事です。
ただこちらの話を聞くだけでなく、辛く苦しい現状から抜け出すためのヒントを与えてくれるので、「なんとかして現状を変えたい」と思っている人にとっては救い主になることもあります。
しかし心理カウンセラーは、心療内科等の先生よりも色々な人がいます。
こちらの話を聞きながら論理的に原因を探り出してアドバイスしてくれるカウンセラーもいれば、お香やおまじないなどを通じてスピリチュアルな側面からカウンセリングをする人もいます。
そのため心理カウンセラー選びも大切な作業です。「大変そうだな」と思うかもしれませんが、基準は非常にシンプルです。
すなわち合うか、合わないか、これだけです。
なぜこんなことが言えるのかは、【経験談】心理カウンセラーってどう選べばいいの?経験者が語る「心が軽くなる」選び方で詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてください。
「考えたこと日記」を書いて、自分の心を観察する

心が疲れているときは「自分のことは自分が一番わかってる」が通用しない
精神疾患にかかる人には几帳面な人や完璧主義な人が多いため、もともとは自己管理能力が高い人も多いとされています。
そのため心が疲れているときも「自分のことは自分が一番わかってる」と考え、誰かに相談することをせず、自分で解決しようとしがちです。
しかし、本来人間は自分自身を完全に客観視することはできません。
例えば「ハイパワーのポーズ」と言って、以下のようなポーズを2分間とるだけで、ポーズをとっている本人が自信を感じ、周囲の人からも自信を持っているように見える、ということが心理学の研究でわかっています。
・頭の後ろで腕を組んで肘を張り、脚を机の上に載せる。
・腕を隣の椅子などに広げ、脚を開く。
・手を腰に当てて肘を張り、脚を開いて立つ。 など
ポーズをとる、それだけで私たちの自分に対するイメージが変わってしまうのです。
であれば、持続的なストレスや一時的な強いストレスを感じていて、すでに心身に不調が出ている状態の人が自分の状態を正確に把握するのは、とても難しいはずです。
「自分はどうしようもない人間だ」と必要以上に自分を低くみてしまうのも無理はありません。
どんなに優れた陸上選手でも、足の骨が折れていれば走ることはできません。
同じように、どんなに自己管理能力が高い人でも、心が病んでいては自分のことを客観視することができないのです。
「考えたこと日記」を見返せば、自分の心を客観視できる
ではどうすれば、心が病んだ状態で自分を客観視できるのでしょうか。
心療内科等や心理カウンセラーにかかるのも効果的ですが、「考えたこと日記」を書くのも一つの選択肢です。
考えたこと日記とは、文字通り考えたことをただひたすらメモしていくだけの日記です。ポイントは以下の3つです。
・ちゃんとした文章や字を書く必要はない。むしろ殴り書きする。
・1日どれだけ書いてもいい。逆に全く書かない日があってもOK。
・気持ちが落ち込んでいるときほど書く。
内容は「上司に怒られた。自分は本当にダメな人間だ」など、なんでもかまいません。その時々に頭の中にあることを、そのまま垂れ流してください。
この日記の役割は、気分が落ち込んで悲観的になっているときの自分の考えを記録することです。
なぜそんなことをするのかというと、少し気分が上向いたときに見返すためです。気分が落ち込んでいるときというのは、得てして必要以上に悲観的になっているものです。
しかしその時の自分の考えを比較的元気のあるときに見返すことで、状況を冷静な頭で分析することができるのです。
例えば「今考えてみると、全然大したことじゃないな」「これを読むと、悪いのは自分じゃなくて上司じゃないか。なんで自分が悪いと思ったんだろう」といった具合です。
この作業を繰り返していくと、少しずつ自分の心を疲れさせている大元の原因が見えてくるはずです。
この考えたこと日記は、精神医学の「認知行動療法」を応用したものです。
心療内科等や心理カウンセラーの現場でも使われている治療法で、日本では「認知行動療法センター」という国立研究開発法人があるほどメジャーな手法です。
認知行動療法について、より深く知りたい人はメンタルヘルス不調の原因を見極めよう!自分でできる認知行動療法のポイントとは?で詳しく解説しているので、参考にしてください。
まとめ
心療内科等や心理カウンセラーはハードルが高く感じるかもしれませんし、「考えたこと日記」に関しては書いている最中に馬鹿馬鹿しいと感じるかもしれません。
でもそれは、骨折している人が「整形外科に行くのはちょっと」「湿布を貼るのはちょっと」と言っているのと同じ。
きちんと治療をしていかなければ、症状を悪化させてしまいます。
他の病気や怪我と同じで、心の病気も早期発見・早期治療が大切です。
少しでも「なんか最近おかしいな」と思ったら、ここで紹介した方法のうち、どれか1つでもいいから実践してみてください。


