メンタルヘルス不調の原因を見極めよう!自分でできる認知行動療法のポイントとは?

メモを取る男性

<ライタープロフィール>
鈴木 直人
全国退職者支援会専属ライター。1989年生。社会人1年目にプライベートのトラブルが原因でうつ病にかかり、職を転々とする。その後2年ほどの無職期間を経て、フリーライターとしての活動をスタート、現在に至る。自分のペースで仕事ができる今の仕事を天職だと考えている。全国退職者支援会の想いに共感し、2020年から専属ライターとして所属。

多くの病気が原因を突き止めることで早く治るのと同じで、心の病(メンタルヘルス不調)も原因を見極めることで「どうすれば回復するか」が見えてきます。

精神疾患の治療法として世界中で活用されている認知行動療法は、心の病の原因を特定するためにも効果を発揮してくれます。

本来認知行動療法は専門家の指導によって最大限の効果を発揮するもの。

しかし簡単なものであれば、自分でも実践することができます。

ここでは筆者の経験をもとにしながら、認知行動療法を自分で実践する際のポイントについて説明します。

認知行動療法とは?

指し棒と女性

自分で実践する場合の認知行動療法のポイントを解説する前に、そもそも認知行動療法とは何なのかを簡単に知っておきましょう。

認知行動療法は物事の受け取り方や考え方のバランスを取ることで、ストレスにうまく対応できるメンタルを作っていき、心の健康を取り戻すための手法です。

ストレスを感じたり、それが原因で心を病んだりすると、私たち人間はつい物事を悲観的にとらえがちになります。

「自分は何をしてもダメな人間だ」「自分なんて生きていてもしかたない」といった具合です。

しかし、今は信じられないかもしれませんが、こうした考えは100%思い違いです。

何をしてもダメな人間はいませんし、生きていてもしかたない人もいません。

心を病んでしまった人がそうやって冷静に考えられるようになるための方法の一つが、認知行動療法なのです。

実は本来の認知行動療法は、知識と経験を積んだ専門家が心を病んだ人に対して行う治療法です。

なので、素人が見よう見まねでやっても100%の効果を引き出すことはできません。

とはいえ、やり方次第では自分一人でも簡単な認知行動療法を実践することが可能です。

以下ではうつ病の病歴を持ち、自分一人で認知行動療法を実践した経験もある筆者が考える、自分でできる認知行動療法のポイントを3つ紹介します。

かなり手軽に試せるので、気分転換にでもやってみてください。

自分でできる認知行動療法のポイント3つ

メモを取る

書き出す

最初のポイントは「書き出す」です。書き出すのは辛いと感じたことがメインです。

ノートに手書きするのがベストですが、「しんどいな」と感じるようならスマートフォンアプリなどでもかまいません。

大切なのは、できるだけすぐに、詳しく書き出すことです。辛い気持ちを吐き出す場所のように使うと、習慣的に書き出せるようになります。

例えば以下のようなフォーマットを作っておくと、その都度「何を書けばいいんだっけ?」と悩まなくて済みます。

日時 2020年3月31日 14時ごろ
天気・もともとの体調・気温 曇り、睡眠不足、やや肌寒い
状況 自分のミスで上司に怒鳴られた
心の状態・体の状態 怖い
悲しい
手が震える
思い浮かんだこと、なぜそう思ったのか 消えてしまいたい
自分なんて会社にいない方がいい
そのあとの行動 帰りにコンビニで普段は飲まないお酒を買って飲んでしまった

筆者は考える余裕がないことが多く、「なぜそう思ったのか」の欄はしょっちゅう書き飛ばしていました。

「そのあとの行動」のところに関しては、いつも少し余裕ができてから書くようにしていました。

このように全ての項目を埋める必要はありませんし、必ず辛いことがあった直後に書かなければならないというわけでもありません。

「書けるところだけ、書けるときに書けばOK」と自分に言い聞かせるだけで、比較的楽に書き出せるようになります。

分析する

グラフ

二つ目のポイントは「分析する」です。

書き出した内容を改めて見返すことで、メンタルヘルス不調の原因となっている考え方のクセを見つけていきます。

考え方のクセは、専門用語で「自動思考」と呼ばれます。これは何かがおきた時に、瞬発的に思い浮かんだことを意味します。

例えば何か失敗をすると「なんて自分はダメなんだ」と考える人は自分を罰する傾向が強いと言えます。

また、「きっと誰かのせいだ」と考える人は自分以外のところに原因を求める傾向が強いと言えます。

書き出した記録を10個20個と冷静になってから見直すと、そこに嫌なことがあった時に自分が思い浮かべることの傾向が見えてくるはずです。

それが思考のクセです。

思考のクセは人それぞれ違いますが、どのクセもその人が長年培ってきたものなので、「良いクセ」「悪いクセ」というものはありません。

ただ心が疲れて判断力が鈍っていると、このクセが行きすぎて、思考をネガティブな方に偏らせてしまうことがあります。

ここで効いてくるのが、書き出した記録の分析です。

少し気分が上向いている時に記録を分析して、「あれ?なんで自分はこのとき『消えてしまいたい』なんて思ったんだ?」「別にそこまで落ち込むようなことじゃなかったのに」と思えればしめたもの。

「じゃあどう考えたら、落ち込まずに済んだのかな」と自問自答をしてみましょう。

そうすることで、思考がネガティブな方に偏るのを抑えることができます。

<補足〜他の記録も活用しよう〜>
「状況」や「思い浮かんだこと、なぜそう思ったのか」以外にも、分析に活用できる情報はあります。

例えば日時。「季節性うつ」という言葉があるくらい、季節の変わり目になるとうつ症状は重くなる傾向にあります。

もし9月や3月に落ち込む回数が増えているのなら、「自分は季節の変わり目に心の調子が崩れるんだ」ということがわかります。

気温差や気圧差によっても心の調子は変わるので、その他の記録も活用してみましょう。

積み重ねる

積み重ね

最後のポイントは「積み重ねる」です。

ここまで見てきた記録と分析を1ヶ月、3ヶ月、半年と積み重ねていくと、次のような気づきの瞬間が徐々に増えてきます。

「あれ?これ前ノートを見たときと同じ状況じゃない?また同じこと考えちゃってるぞ。今めちゃくちゃ落ち込んでたけど、そんな必要ないよな」

「今日は何をやってもダメだな……雨も降ってるし。あれ?前もこんな感じの気分の時、雨が降ってたな。なんだ低気圧のせいで気分が落ち込んでただけか」

「自分が落ち込むとき、毎回この上司と関わったときだな……。今日の会議、この上司と一緒だけど、ちょっと離れた席に座ろう」

暗記しようとして記録を分析していなくても、ぼんやり見返しているだけでなんとなく記憶には残っているもの。

それをふとした場面で思い出すと、こうした気づきになり、思考のクセを修正したり、自分が落ち込む原因を回避できたりするのです。

積み重ねが効果を発揮するまでは時間がかかります。だからくれぐれも無理に記録や分析をしないようにしてください。

大切なのは完璧にやることではなく、60点、40点、10点でもいいから続けることです。

補足〜楽しいことも書き出してみよう〜>
慣れてきたら辛いことだけでなく、楽しいことを書き出して分析するのもおすすめです。

これをすることで今の自分がどんなことを楽しいと感じるのかがわかるからです。

自分の機嫌が良くなる方法を知っていれば、気分が落ち込んだときなども効果的な気分転換をすることができます。

認知行動療法を自分で実践するときの注意点

注意点

認知行動療法は本来専門家が心を病んでいる人に行うものですから、素人が自分一人で実践する場合は注意すべき点があります。

一つは無理をしないこと。簡単なものでも、やるのが辛いと感じるのならすぐにやめてください。

「こんな簡単なことができないなんて!」と落ち込むかもしれません。

でも、誰も両足の折れたオリンピック選手に「日の丸を背負ってるんだから、簡単なトレーニングぐらいするべきだ」とは言わないはず。

心の病にかかっている人も同じです。無理をする必要はありません。余裕ができてから再度挑戦してみましょう。

もう一つは心療内科や精神科の医者、心理カウンセラーなどの専門家にかかっている場合は、その人の指示に従うこと。

くれぐれも自分でやった認知行動療法の結果を優先してはいけません。

自分で認知行動療法を実践するときは、これらのことに注意をして、まったりのんびりやるようにしてください。

まとめ

病気を治すという意味では、心療内科や精神科、心理カウンセラーなどのサポートを受けるほうが確実です。

しかし様々な事情で、専門家の力を借りられないという人もいるでしょう。

自分でできる認知行動療法は、そうした人におすすめの方法です。

「書き出す」「分析する」「積み重ねる」を続けていけば、おぼろげながら原因が見えてくる可能性があります。

例えばそれは家族や恋人との人間関係かもしれません。あるいは職場の仕事内容や人間関係などが原因の可能性もあるでしょう。

もう耐えなくてもいい!仕事内容が原因で心を病んでしまった人に検討してほしい3つの選択肢では、メンタルヘルス不調の原因が仕事内容だった人の場合の対処法を紹介しています。

「仕事が辛い」「どうしたらいいかわからない」という人は、こちらも参考にしてください。

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