今年度から年間休日が121日から116日と、5日も減りました。つまり労働日数は増えたのに給料は変わらないんです。これって違法ではありませんか?
労働条件の変更にいたった経緯にもより一概には言えませんが、違法である可能性もあります。
労働条件の不利益変更とは
労働条件の不利益変更とは、
- 給与を下げたり
- 社員の休日を減らしたり(所定労働日数が増えたり)
- その他、社員が不利益を被る就業規則等の変更
を行うことです。
会社側も事情があって変更をするのですが、いくら理由があるからといっても、一方的な不利益変更は社員の生活をおびやかすものであり、かんたんには変更してはいけないことになっています。
では具体的に、どういったときに「労働条件の不利益変更」が可能なのでしょうか。
変更に合理的な理由があること
合理的とはこういったことです
- 正当な範囲内での「不利益変更」なのか
- そもそも必要な変更なのか
- 変更後の就業規則に問題はないか
- 社員とちゃんと話し合いはしたのか
- その他、特別な事情があるのか
具体的には、「変更を行わないと会社の存続が危ぶまれる場合」などが該当しますが、それも程度によります。役員報酬を削減するなど「やるべきことをやってから従業員の不利益になることに手を付けたのか」などが問われます。
「ただ経費を圧縮したいから」だとか、「必要以上に削減して利益を上げようとした」などは認められません。
変更内容を周知していること
とうぜん、これから変わる条件を全社員が知る必要があります。変更後の内容を事後報告するということは認められません。
また就業規則の内容も変わるわけですから、やはりその就業規則をいつでも見られる状態でなければいけません。
全社員か、代表社員か、労働組合の合意があること
・全社員の合意
社員全員の合意が取れている必要があります。ただし、圧力や恫喝による合意はとうぜん認められません。
・代表社員との合意
従業員数が多い場合、全社員の合意を取り付けるというのは現実的ではありません。そのため、代表社員を社員のなかから選出し、その代表社員と会社が合意を取り付けられれば問題ないとされています。
・労働組合との合意
会社に労働組合がある場合は、労働組合との間で合意を取ります。ただし、労働組合員でない社員にまではその効力は及びません。組合員以外の社員がいた場合はこれもまた個別に合意を取り付けていく必要があります。
不利益変更は無効とする主張が可能な場合もある
変更内容にどうしても納得がいかない場合、労働裁判に持ち込むこともできます。
労力がいりますが、上記で説明したような「合理的な理由」が無い、と争うことは可能です。お考えの場合、労働基準監督署であったり、全国で活動しているユニオンにいちど相談してみるのがいいでしょう。
いずれにしても、わたしがこの労働条件の変更でモチベーション低下につながり、退職の一因となったことは確かです。