「退職をするぞ」と腹を決めて、いざ上司に話をしにいったら、まさかの引き止め……
こんなとき、どうしたらいいのでしょうか?人生でそう何回もないシチュエーションではありますが、だからこそシミュレーションや準備をしておきたいものです。
まず「あなたの退職を止める権利は誰にもない」ということを認識しておいてください。憲法「職業選択の自由」でも宣言されていることです。
その上でいかに円満退職ができるかを考えてみましょう。
こんなとき「引き止め」が起こる
こんなとき、しばしば引き止めが起こります。
- あなたが優秀な社員の場合
- あなたの替えが効かない場合
- 人手が足りない状況
- 上司が「とりあえず引き止めればいい」と思っている
もしも、その場で説得されて「考えます」と退職を引っ込めようものなら大変です。退職後の計画が狂ってしまいますし、いちど引っこめた退職を「やっぱり辞めたい」とふたたび持ち出すのもパワーが要ることです。
会社によっては日を改めて面談を繰り返し行うことで、退職を諦めてもらおうという魂胆すらあるかもしれません。
そのため、退職を決めた初期段階からできるだけ円滑な退職実現にむけた準備をしていく必要があります。
体験談:退職前の業務引継ぎを、引き延ばされた
以前の会社が、家族経営の職場でした。次第に社長家族が会社内で働きはじめ、最終的にその子供たちも働くように。
会社内でもやる気がないのが丸わかりで仕事をしにきた風でもなく、ものすごく馬鹿らしくなってやめようとしたところ、「子供が一人前になるまで考えてくれ」と引き止められました。子供たちの態度が仕事をする態度ではないので、無理だと答えました。
取引先がわずかなのに、引継ぎをわざと長引かされ、その間も通常の業務を行わさたのが辛かったです。
まずは就業規則の確認
多くの会社がそうであるように、あなたの会社の就業規則は「退職は30日前に申し出ること」などと書いてあるでしょうか?多くの方は就業規則のルールどおり申告しているはずですね。
また有休が残っているなら、最後に完全消化してから辞めたいものです。仮に有休が30日残っているとした場合、「最終退職日の30日前を最終出勤日にする」という前提で行動することが一般的です。
通常これだけを行えば「新たな人材が見つかるまで待ってほしい」という理由で引き止められるリスクも減らせますし、たとえ「後任に業務引き継ぎを頼んだぞ」と言われた場合でも、じゅうぶん間にあう期間になっているはずです。
言わないほうがいいこと「不満を述べる」
あまり口にしないほうがよいこととしては、
・「○○に不満を抱いているから辞める」
・「○○さんと折り合いが合わなすぎるから辞める」
・「忙しすぎるから辞めます」
といった言い方。これでは「じゃあ解決に取り組むから考え直してくれ」という切り返しが想像できます。上司もマネージャークラスともなれば離職率の管理を求められていることが多く、必ずといっていいほどこういった慰留を試みるでしょう。
言ってよいこと3選
共通して言えるのは「申し訳ありませんが、退職の意思は変わりません」と意見がぶれるそぶりは決して見せないことです。
1.キャリアアップを根拠にする
「異業種を試してみたい」
「前から考えていたのですが留学することに決めました」
というように、
・相手に背中を押してもらえる内容
・決定事項の内容
を伝え、応援せざるをえない雰囲気にすることが効果的です。
2.体調不良を根拠にする
「ここ半年、業務が辛くて、体調もとても悪くて…」
これも上記の”不満を述べること”よりも確実です。なぜなら、会社側には労働者に対して「安全配慮義務(健康配慮義務)」というものがあり、これ以上健康を損なうことを分かっていながら働かせてはならないからです。
3.家族のことを根拠にする
「父親が大動脈解離で倒れまして、私が介護することになりまして」
通常の感覚であれば「君以外にできる人はいないのか」と尋ねられようはずもありません。たずねられても「はい、いません」でよいでしょう。
それでも引き止められるなら
<体験談>
30. 匿名 2017/08/27(日) 19:46:45
転職エージェントの人から退職交渉は
5~6回かかると思って下さい、と言われた。
引用元:ガールズちゃんねる
こうなった場合、退職届を提出して「次の日程が迫ってますので、早く受理して貰わないと困ります」と単刀直入な言い方をせざるを得なくなってきます。
あくまで会社側に退職を止める権利はありませんし、「保留にさせてくれ」なども聞く耳を持つ必要はありません。もしもそれでも断固として拒否、あるいは嫌がらせをするようであれば……
全国に設置されている労基署の相談窓口に相談するか、支援会へいちどご相談ください。お話をうかがって、適切な窓口をご案内します。
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